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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁

青空文庫

さだめし驚きもし、迷惑もしたろうと察しられるのは、屋根を借りられた近衛家である。しかもここの当主夫妻はつい昨日かおとといの昼、牛車を打たせて本能寺へ信長を訪ねてもいる。信長とは長年昵懇な近衛前久が住んでいるのだった。

当然、城中からも、矢や鉄砲がそこへ注がれる。双方とも大砲を持たないだけがまだ仕合せである。由来光秀は銃器の研究にかけては、随一の知識でもあったから、坂本や亀山には、その備えもあったろうが、目標が本能寺と妙覚寺であり、こういう攻城戦をなそうとは予期しなかったせいもあろうか、ここの陣中では使用されていない。

だが、やがて城内の一角からまっ黒な煙が揚がり出した。石垣を登るのに成功したか、三門のうちどこかを突破したか、忽ち構えのうちに乱入した明智勢の影が見え出した。

「陥ちる。いや陥ちた」

光秀は鞍つぼを叩いて、こう叫びつつ西門の前まで駈け寄った。もう矢弾も来ない。まさに城兵は逼塞したとみえる。光秀はかたわらを顧みて、

「光秋もかかれ。飛騨も行け」

と、総攻撃をうながした。

西門、東門、南門、すべて今は突破され、混み入った明智勢は、いたる所で、少数の敵を大勢でつつんでは撃つ殲滅戦にかかった。