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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁

青空文庫

元春や隆景からも、宗治へあてて、同じような激励と、そして急援の準備にかかっている消息は幾度か聯絡されていたはずである。けれど、やがてその通信は、中断され、杜絶した。

四月二十七日からである。

「今は」

と、秀吉は、周到な用意のもとに、すべての邪魔をのぞいて、いよいよ残る一城高松の包囲を行動しはじめた。

龍王山の本陣一万五千はなおうごかない。

平山の高地へ、羽柴秀勝が五千をひきいて進出し、八幡山には、宇喜多秀家の一万が戦気を昂めていた。

宇喜多勢の背後には、秀吉の譜代と見られる諸将が陣していた。盤上の駒組は一応まずととのったかたちである。宇喜多のうしろへ譜代を配したのは、なおまだ宇喜多の配下にふた心を抱く者が絶無とはかぎらない――万一に備えてであることはいうまでもない。

包囲形勢をとったその日から、寄手と城兵のあいだには、もう先鋒で一部隊の衝突があった。

「――今朝、池の下口での合戦では、宇喜多どのの家士の中、戦死傷あわせて五百余名とかぞえられ、城兵の損害は約百に足らず。うち八十余名は悉く討死。のこる数名のみ生捕りましたが、それらもみな全身に深傷を持ち、はや五体もきかぬまま捕われた者どもでありました」