輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁

青空文庫

それと戦いとは違うが、民の性根というものは、これ程なものだというには、証し得て余りがあろう。

また、その克己と、戦いの艱苦とをくらべれば、戦火のごときも、物の数ではない。いかに烈しかろうと、人と人との戦いだというに尽きる。

戦国時代の民が、のべつ戦乱の中に置かれながら、あの大どかを持ち、ついに醍醐桃山の文化を築いたのも、元来、こういう性根の民だったことを思えば、驚くには足らないことであるかもしれない。

しかし、古来からあの当時までも、ひとたび戦争となれば、その領辺一帯には、早くも敵国兵の姿を見、春ならば麦を、秋ならば稲を、農田のあらゆるものまで、焼かれ、刈られ、掠奪され、家は勿論、ぱりぱり焼き立てられたものだった。

村落を焼き、町を焼き、橋を焼き、敵を断つ。――これは攻城野戦ともにやる常套的な正攻法で、兵家としては、まことに陳腐な一攻手に過ぎない。

――が、百姓町民はその都度に会うことである。火に追われ、流れ弾や、白刃素槍にも見舞われる。血にすべり屍につまずき、落ちてゆく山地の夜には、また、剽盗無頼の徒が待っていた。

この民に、食を供与してくれる者はなく、却って、彼らが持って逃げたわずかな食糧をも、これを奪う者のみが、野や山にはまだ多かった。