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みんげいよんじゅうねん

民藝四十年

柳 宗悦

線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁

青空文庫

大津絵に負なん老の流れ足

英一蝶はかく嘆じたという。大津絵の「相撲」図に書き記した賛である。戯画家であった彼は、大津絵と相撲をとっては勝ち味がないのを知ったのである。この謙遜な承認は全く正しい。

そこには個性がない。習えばその地の誰でもが描き得た絵だからである。個性の美も一つの美ではある。だがそれは美術の美ではあり得ても、民画の美とはならぬ。民画が私たちの心を惹くのは、そこに個性を越えた世界が示されているからである。それは親しさの美を贈ってくれる。潤おいとか、味わいとかの美を示してくれる。それは誰でもの友である。誰にも備えた土産物ではないか。もしそれが個人の作であったなら、大津絵とはならなかったであろう。名物とはならなかったであろう。何も大谷、追分の地に限られる土俗の絵となるいわれがない。あの大津絵師が「又平末流」と名乗り出た時、もう絵に生気はなかったのである。どの優れた古い大津絵に銘を入れたものがあろう。個性を言い張る世界に、大津絵はなく、大津絵の美はないからである。

私はまたこう答えよう。大津絵の美しさは伝統の美しさだと。それは一人が描いた絵ではなく、また一人が工夫した作ではない。