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みんげいよんじゅうねん
民藝四十年
柳 宗悦
線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁
「下手物」という俗語すら、多くの道具屋が知らなかった頃である。まして今のように「民藝」なる言葉は誰の口にも登らなかった。そういう民器の価値は、てんで問題にならなかった頃である。
それ故凡ての個所が処女地であった。そうして私たちも何が見出せるかについて予め知るところがなかった。それだけに蒐集の面白味は倍加されたと思える。見出された品物は多くは下積みにされて、塵の積るに任せてあった。だから私たちは驚くべき安さで悦びをもって集めることが出来た。
かくして集めたものを一度世間に問いたい希望を強めた。昭和二年六月廿二日から五日間、東京銀座鳩居堂の楼上で最初の民藝展が開催された。
この会で私たちは私たちの見る正しい工藝を、物を通して世に語ろうと欲した。幾多の性質において、今までとは全く違った会であったと思える。ここではどこにも在銘のものが見当らない。無銘の工人たちがその仕事を果したのである。平凡であった職人たちが、非凡な美しさを示すのである。品物はそれまでろくな価すらつけられていない。その安物が美しさを語ろうというのである。私たちは何も反動的にこのことを企てようとしたのではない。