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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

「これは、間違えて、何か別のものをつかまえたのではないかしらん」

とすこしの間、千二は、そう思った。

しかし、千二のつかまえている土管みたいな怪物は、彼のおさえつけている下から、はねかえそうとしているらしく、しきりにもくもくと動いたし、また、しばらくたって、

ひゅう、ひゅう。ひゅう、ひゅう。

と、しのびやかな鳴き声を立てたので、今おさえているのが、例の怪物であることに、決して間違がないと知った。

だが、こうしておさえつけていても、千二は、決していい気持ではなかった。とびつく前は、相手は人間か、またはこの湖によく下りる鳥だろうと思っていた。ところが、それとはまったく手ざわりの違った、ぬれ土管の怪物だったのである。でも後から考えると、彼はよくまあ勇敢に、組附いたりしたものだと感心する。これが闇夜の出来事ではなく、昼間の出来事で、相手の姿がはっきり見えていたとしたら、彼は決してとびつきはしなかったろう。いやその反対で、きっと顔色をかえて、逃出したことであろう。

「さあ、ずるい奴め。土管の中からひっぱり出してやるぞ」

千二は、本気でそう言って、相手の体をなでまわしたが、さあたいへん、土管だと思ったのに、その先は鉄甲のように、まるい。