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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

『うわーっ、千二、こりゃえらく捕ってきたな』と、お父さんが、えびすさまのように、にこにこして桶の中をのぞきこむだろう。今夜はひとつ、うんとがんばってみよう」

千二は、幼いときに母親に死にわかれ、今は親一人子一人の間柄だった。だから、父親千蔵は、天にも地にもかけがえのないただひとりの親だった。千歳は、千二のためには父親であるとともに、母親の役目までつとめて、彼をこれまでに育てあげたのだ。なんというたいへんな苦労であったろうか。しかも父親千蔵は、そんなことを、すこしも誇るようなことがなかった。千二は少年ながら、そういういい父親を、できるだけ幸福にしてあげたいと思って、日頃からいろいろ考えているのだった。できるなら、ひとつ大発明家になって、父親をりっぱな邸に住まわせたい……

そんなことを考えながら歩いていた千二は、とつぜん、

「おや!」

といって、立止った。それはなにかわからないが、きいんというような、妙な物音を耳にしたのである。

きいん。

妙な物音だった。あまり大きな音ではなかったけれど、何だか耳の奥に、錐で穴をあけられるような不愉快な音だった。

「うーん、いやな音だ。