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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《猫の蚤とり武士(ねこののみとりぶし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,496 字 · 368 頁
梶子と附け人
萩丸は夢中で書くのであった。
「『祖父様』と、お書きなさりませ」
「『祖父様』と、こう書くのか。書いた、菊女、さあ、それから……」
「『孫の萩丸の一生のお願い、どうぞおきき届けくださりませ』」
「『孫の萩丸の一生のお願い、どうぞおきき届けくださりませ』こう書くのだな、さあ書いた」
「『祖父様がお捕えあそばしました、明暦義党の数十人の方を……』」
「『……明暦義党の数十人の方を……』」
「『ご宥免なされてくださりませ』」
「『ご宥免なされてくださりませ』」
「『ご宥免なければ孫の萩丸は』」
「『ご宥免なければ孫の萩丸は』」
「『江戸にいる明暦義党の者に、嬲り殺しにされまする。今萩丸はその人々の手で、恐ろしいところに捕えられ、監禁されておりまする』」
「ほんとにそうだ、ほんとにそうだ、恐ろしい所にとらえられている。嬲り殺しにされるだろう。……さあ書いた、菊女よ書いた。……」
その翌日のことであったが、梶子は自分の屋敷にいた。
梶子と附け人
下谷鳥越の一所に、中山右京という大旗本の、豪奢な屋敷が立っていたが、その裏手にこれも立派な、梶子の家が立っていて、その一室に梶子はいた。