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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(九)不死の霊薬(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,106 字 · 292 頁
五
「泥の付いたのがあるね、番頭さん」
「大坂へ現金を送る時、上のはよく使いますよ。何かの拍子に泥の上へ置いたんでしょう」
「なるほどそんな事もあるだろう。が、番頭さん、数は減っちゃいませんか」
「とんでもない、親分」
佐兵衛は事もなげです。
五
「親分、三輪の万七親分が乗り出しましたぜ」
ガラッ八はまた何か嗅ぎ出して来ました。あれから五日目、さすがの平次も手の下しようもなく考え込んでいたのでした。
「三輪の兄哥はどんな事をしているんだ」
と平次。
「お上の帳面にあるほどの娘師の疑いのあるのを、片っ端から縛ってますよ」
「…………」
「浪花屋の番頭殺しは、前の晩の土蔵破りに違いないという見込みで」
「俺もそう思うが、あの手口はどうも玄人じゃねえ」
「ヘエ――」
「それに、浪花屋の商売は近頃やり繰りがあるそうだ。三千両なんて金は最初からなかったんじゃあるまいかな」
「そんな事があるでしょうか、親分」
平次の話はガラッ八を仰天させました。
「三千両の金を本店へ送る日限が来たので、あんな苦しい事をしたのじゃないだろうか」
「釜吉は浪花屋には金が唸っているような事を言いましたぜ」
「あの釜吉だって怪しいよ、――馬鹿だか悧巧だか判ったものじゃない。