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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(九)不死の霊薬(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,106 字 · 292 頁
それは今から三年も前のこと、当時はまだ元気の良い石原の利助は、町奉行から特別のお声がかりで、勘定方の役人と一緒に、東海道宇津谷峠まで出張し、十日あまりも滞在して調べましたが、何の得るところもなく帰って来たことは、平次もよく記憶しております。
「その三人組の一人、三州の藤太というのが駿府でお手当になりましたが、激しい捕物で、役人に斬られて間もなく落命、息を引取るとき、宇津谷峠で奪い取った五千両は、仲間の頭分西国浪人赤井市兵衛が隠していると白状したそうです」
「…………」
平次はその先を促すように膝を進めました。お品の持って来た話は、どうやら退屈病を一遍に吹飛ばしてしまいそうです。
「もう一人の仲間は稲妻小僧の六。三人別れ別れになってほとぼりをさまし、三年目の今年江戸に落合って、五千両をわける約束だったそうです。三州の藤太が死に際に白状したのはたったこれだけ」
「それがどうしてお品さんに判ったんだ」
「駿府のお役所から人が来ましたよ。三年前父さんが調べに行ったことが判っているからでしょう」
「話は面白そうだが、たったそれだけじゃ、手のつけようがねえ」
「まだこんな事がありました。