輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,455 字 · 290 頁

青空文庫

「さア、出かけよう」

冗談を言いながら仕度をした平次、ガラッ八を案内に、風薫る根岸へやってきました。

寮へ着いたのは、かれこれ巳刻(十時)、まだ何もかもそのままですが、物好き半分、近所の衆や店から駆け付けた人達で、家の中は押し返しもならぬ有様です。

「ガラッ八、これじゃ、お化けの方で驚いて逃げ出すだろう。用事のないものは、外へ出て貰おうじゃないか」

「合点」

ガラッ八は勢い込んで飛上がると、

「さア、銭形の親分がやって来た。下手人の疑いを掛けられたくない者は、皆んな外へ出て貰おうか、その辺にマゴマゴしていると、縛られるかも知れないよ」

精一杯に張り上げると、驚いた有象無象、雪崩れ落ちるように外へ飛出してしまって、後に残ったのは、お雛、お染、友二郎、六兵衛、それに本店から駆け付けた手代のうち、一番縁故の深い、お雛の許嫁の重三だけになりました。

「なるほど、疑われてもいいという人達ばかりだ。親分、何から手を付けましょう」

平次は黙礼したまま、家の中へ入ると、何よりまず仏間へ入って、まだ小さい床の上に寝かして、枕許に樒と線香だけ立てたままの、富太郎の死体を見せて貰いました。