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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,455 字 · 290 頁
五
「…………」
並居る手先、役人、悟りすました住職や役僧も、しばらくは口も利けません。
「八兄哥、たいした手柄だ」
万七は一番先にこう言いました。危うく何もかも八五郎の手柄になるところを、千両箱の中味が砂利や金屑で、かえってホッとしたのでしょう。
「とんだ花咲爺さ、ここ掘れワンワンと来やがったろう、へッへッへッ」
下司な笑いは、お神楽の清吉の歪んだ唇から、ガラッ八の開いた口へ、覿面に叩きつけられたのです。
五
「親分、こう言ったわけだ。三輪の親分に虚仮扱いにされても腹は立たねえが、親分の事まで何とか言われちゃ我慢がならねえ。それに――」
八五郎はすっかり取り逆上て、親分の平次の手を取って引張り出し兼ねまじき勢いです。
「騒ぐな、八、もう少し落着いて物を言え」
平次も少し持て余し気味でした。
「そればかりじゃねえ、親分、寺社の役人の言うことが癪にさわる。町方へ頼んだのは、砂利や古金物を詰めた箱を捜して貰うためじゃねえ。三千両の金を取戻したいからだ――てやがる、畜生ッ」
「判ったよ、八、これはなるほど、お前には荷が勝ち過ぎた。底には底がありそうだ、行ってみるとしようか」