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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(六)結納の行方(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,597 字 · 289 頁
「近頃の流行物というと何だろうな、八」
平次は妙な事を訊きます。
「解っているじゃありませんか、堺町の中村座に、吉原の繁昌――」
「そんなものじゃない」
「豆蔵の人寄せに言う――うんすんカルタに繻子の帯、ビードロ細工に人さらい――などはどんなもので」
「それだよ、八」
「ヘエ――」
「うんすんカルタじゃいけない、オランダカルタがあったら、一と組欲しいな。御禁制品だから容易には手に入るまいが、これだけ持って行って、江戸中の船着き場をあさってみてくれ」
平次はお静を呼んで財布を出させると、中から小粒を一っ掴み、二三両もあろうと思うほどへ、小判を二枚添えて、ガラッ八に渡しました。
「これだけありゃ、人参でも沈香でも買えるぜ親分」
「その人参や沈香の方も気をつけてくれ、近頃は唐、天竺、和蘭あたりの品がよく入るようだから、――抜かりはあるまいが、どこからそんな品が手に入って来るか、突き止めるんだよ。もっとも抜け荷や禁制品を扱う者は口が堅いから、うっかり用心させると、田螺みたいになるぜ」
「心得たよ、親分」
「言うまでもないが、抜け荷や和蘭渡りの禁制品を扱う問屋を嗅ぎ出すのが第一だよ。