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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁

青空文庫

「それじゃ、親分」

「明日の夕方までに、専次と勘六と、文吉と七平の身許をよく洗ってくれ、無駄だろうと思うが――それから、こいつは一番大事だ、三河屋の主人は三河万歳だったというが、それも本当か嘘か――」

「そんな事ならわけはありません」

「もう一つ、匕首は誰の品か、判らなきゃ、どこから出たか捜してくれ、これは下っ引を二三人歩かせたら、判るだろう」

「親分は?」

「俺は寝ていて考えるよ」

「ヘエ――」

勝手なことを言う平次と、ガラッ八はつままれたような心持で別れました。

それからまる一日。

翌る日の酉刻半(七時)頃、報告にやって来たガラッ八が、まだ坐り込む前、

「親分、大変、三人目がやられましたよ」

下っ引の皆吉というのが、戸口から呶鳴りました。

「何? 三人目? 誰だそれは?」

平次もガラッ八も立上がります。

「下駄屋のお袖さん」

「そいつは大変、あれも十七だ」

三人は真っ黒になって飛んで行きました。金沢町の下駄屋のお袖、町は違いますが、お今、お三輪と並んで、界隈の評判娘です。

下駄屋は両親と兄妹六人暮し、お袖はその一番上で、お今、お三輪とは違った意味の評判娘でした。