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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁
二
「神田の八五郎兄哥は、この家の中に下手人がいる見込みだとよ、皆んな顔を並べて、人相でも見せてやんな、――自棄に良い男が揃っているじゃないか。女出入りなら駒次郎兄哥などが早速やられる口だぜ。金が欲しきゃア、弥助親方だ、――何だってまた選りに選って、醜男で空っ尻で、取柄も意気地もねえ丈吉などの眼玉を狙ったんだ」
朱房の源吉は、井戸端に集まった多勢の顔を見渡しながら、いい心持そうにこんな事を言いました。
主人の弥助は五十を越した年配、その倅、駒次郎は取って二十三、これは山の手の娘に大騒ぎされている男前、職人の勝蔵も、二十五六の苦み走った男、源吉が言うのは、まんざら出鱈目ではなかったのです。
「やい、八兄哥、帰ったら平次へそう言いな、近頃少し評判がいいようだが、あんまり出しゃ張るとろくな事はあるめえ――とな」
ションボリ帰って行くガラッ八の後ろ姿へ、源吉は思う存分の悪罵を浴びせました。平次にはよっぽど怨みがある様子です。
二
「親分、こういうわけだ、あっしは何と言われたって構わねえが、親分の事まであんなに言われちゃ我慢がならねえ。お願いだから四丁目まで行ってやっておくんなさい。