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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁

青空文庫

藤六の女房は、平次の問にこう答えます。

「ところで、その水槽へ飛込む時、誰が珠を取るか、前から決っているだろうか、それとも行き当りばったりに、最初に穴を潜った者が取ることになっているのか」

平次の問は次第に核心にふれます。

「それは前から決っています。そうでないと、水へ入ってからマゴマゴして間違いを起しますから」

とこれは太夫元の藤六です。

「あの間違いのあった日は、蓋をあけて、すぐだったというから、お松が珠を取ることは前から、解っていたわけだね」

「左様でございます。最初はお松、次はお村、三度目はお松――とこれは毎日同じことで、朝の第一番に珠を取るのは、一つ年上のお松に決っております」

「ところで、今晩は百松とお村が見えないようだが――」

平次はフト思いついたように、四方を眺めました。

「百松は毎晩小屋へ泊っています。ろくなものもありませんが、火の用心のためで」

と清次。

「お村は?」

「お村はどこへ行ったろう。疲れているからって、奥で休んでいたはずだが、夕方から見えないようだね」

これは藤六です。

「お村さんは、先刻百松さんと一緒に両国の方へ行きましたよ」

お饒舌らしい小女は、お勝手の方から口を出しました。