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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁
空洞な笑いが、ガランとした小屋に響いて、その物凄さというものはありません。乱れた髪の上から、猿轡を食まされ舞台の上に引据えられて、紅の裳を乱したお村は、顔色を変えてゾッと身顫いしたようです。
百松は、万筋の単衣を端折って、舞台の上に跼みました。蝋燭をかかげると、縛られたお村の顔よりは、自分の醜怪な顔の方が、灯の真ん中へヌッと出ます。
「お村、お前はお松を殺したに違いあるまい。うんにゃ、隠したって駄目だ。お上の眼は晦ませても俺の眼は誤魔化せねえ。あの水の中で、鮭のように腹を裂かれて死んだお松だ、一緒に水槽に浸っていたお前が殺さなくて、誰が殺すんだ」
「…………」
「お前も知ってるだろう。お松と俺は、同じ村に生れて、餓鬼のうちからの友達だ。大きくなったら一緒にって、田圃の積藁の蔭で、飯事をしながら約束したこともあるが、大きくなると、お松の阿魔、俺の見っともないのを嫌って逃げ出しやがった」
「…………」
「俺はそれを追っかけて、二年越し江戸中を探し廻り、漸くここにいることが解ったんだ。どうせ、俺はこの通りみっともねえ人間だ、お松のような綺麗な娘に好かれる道理はねえから、浮気も不身持も承知、決して不服も、焼餅も言わないから、その代り、一生側へ置いてくれ、俺は、お前の美しい顔を眺めて、犬のように守ってやる――ってこう言っ