輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁

青空文庫

平次は落着き払って、子分のガラッ八の顔を見上げました。

「昨夜風太郎が入りましたよ」

「どこへ」

「浅草の隆興寺」

「何を盗った」

「本堂の奥のお厨子の中から三寸二分の黄金仏、大日如来」

「罰当り奴」

「親分、あっしが盗ったんじゃありませんぜ」

「手前に盗れる訳もねえやな、案内しろ」

「親分が行って下さりゃ、ガラッ八も、心丈夫だ。こう来なせえ」

「馬鹿にするな」

藍微塵の素袷、十手を懐に隠して、突っかけ草履、少し三枚目染みる子分のガラッ八を案内に、銭形の平次は浅草の隆興寺へ飛んで行きました。

三寸二分、金無垢の大日如来というのは、本堂の奥に安置した教祖の木像の胎内仏で、別にお厨子を作って見えるところに安置したのは、少しでも寺内を賑やかにしようという住職の商売気、そこを見込んで怪盗風太郎が、昨夜一と晩のうちに盗み出してしまったのです。

風太郎にあっては、鍵も錠も問題ではありません。

住職に逢って、愚痴やら繰り言やらを聞いた平次は、あとは調べるでも探すでもありません。ケロリとして、庭に出ると、寺男を捉まえて小半日植木の講釈などをした挙句、今度は本堂の中に入って、寺相応の彫刻やら額やら絵やらを眺めて、お厨子の方などは振り向いて見ようともしません。