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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 鬼の面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,082 字 · 257 頁

青空文庫

「でも、若い娘の手が、あんなのは悪くありませんね――もっとも、左の手に少し怪我をして居る様で、手の甲から手首にかけて、膏薬を貼っていましたが」

「お前の調べは、相変らず、あの娘のことばかりじゃないか、三輪の親分に鼻を明かされるのも、無理はないぜ」

「まだ沢山調べて来ましたよ」

「詳しく話してみな」

「恋患いの第一番、練塀小路の油屋、和泉屋の倅嘉三郎は、思い焦れて、枕もあがらないと言われて居ますが、骨と皮ばかりになって居ても、夜中に一度は外へ出て、フラ/\と金沢町まで歩いて行き、江島屋の塀の外から、お艶の部屋のあたりを見上げて、大きな溜息を三つばかりして、又とぼ/\と帰るそうですよ」

八五郎の話は奇っ怪でした。

「家の者がそんな話をするのか」

「飛んでもない、家の者は倅は大病だからと言い張って、あっしにも逢わせやしません、そのフラ/\のトボ/\は、近所の衆の噂ですよ――お隣の若い者が、宵から見張って居て、練塀町から金沢町まで跟けて行き、一伍仔什を見届けたというから、こいつは嘘じゃ無いでしょう」

「恐ろしく達者じゃないか、それで昼は人に逢えないほどの大病だというのか」