輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 鬼の面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,082 字 · 257 頁
「この釘は、誰が打ったんだ」
「少しも気が付きませんでしたが」
よく見ると、その穴の方へ尖端を向けて、横木や両側の板から逆に打った釘の先には、此穴に引っ掛って死んだ、伊保木金太郎の着物から毟れたらしい、糸屑や小さい巾などが引っ掛って居るではありませんか。
一歩退いて見ると、路地の方には、穴から一尺ほど離れた下水へかけて、夥しい血潮が、昨夜の殺しの凄惨さを物語って居ります。
丁度その時でした。
「親分さん、伊保木様から、死骸引取りのお使の方が見えましたが、御渡し申してよろしいでしょうか」
江島屋の主人鹿右衛門は、恐る/\顔を出します。
「あっしが立会おう」
平次は気軽に庭の中へ入ります。相手は武家、それも小禄の御家人だけに、うるさいことを言いそうで、江島屋鹿右衛門少なからず恐れをなして居るのです。
「そう願えれば――」
平次の蔭に隠れるように、金太郎の死骸を置いてある部屋の前へ引返します。其処では、
「それでは御主人、若様御遺骸は引取って参る」
などと、少し権柄ずくになって居るのは五十前後の用人らしい男、あとは二人の折助で、店先には死骸を運んで行く駕籠が用意してある様子です。