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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁
水準とその「社会学的」水準とがあるのではない。あるものは文学の文学的水準(表現の具体性による)と科学的水準(歴史的必然性による)とであって、しかも二つは芸術的真理という唯一の尺度によって計られるという結果になる筈である。この二つの水準が唯一の尺度に結合出来るのは、文学(芸術)が元来科学的意義を持っていたからである。
四、古典の問題。古典は一応作品の文学的水準(表現の具体性)の典型的なものを云うように見える。だがその科学的水準(歴史的必然性)が低かったならば、第一それは古典的遺産として残る条件を備えていないだろう。或る一定の時代にとって必然的な意味があったればこそ、今は吾々にまで遺されているので、之は単に表現技術の模型としてあるのではなく、同時に歴史的必然性を担った限りの表現の遺物としてあるのである。之は技術的模型ではなくて芸術史的遺産である筈だ。古典はだから、かの批評の客観的尺度の歴史的な適用材料である。科学や哲学に於てもこの古典の意味は少しも変らない。
五、世界観と方法。一―四は文学と科学とに共通な規定である。最後に二つのものの区別に触れる処の法則を見ておこう。