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しそうとしてのぶんがく

思想としての文学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁

青空文庫

五

――だから結局、この科学的批評は、同時に批判的科学のことに他ならず、逆に、本当は批判的(批評的)な科学は、科学的批評という評論的機能を果さなければならない、という帰結が出て来る。この点を特に注意する必要があると思う。

五

科学的批評は、それが様々な(単に文化形態にぞくするものばかりではなく一般に社会・政治経済の現象にぞくする)対象を、客観的な必要に応じて体系的に評論して行くことによって、やがてそれ自身批判的・批評的な科学の体系にまで育って行かなくてはならないのである。哲学というものは他でもない、そういう科学的評論の体系のことだ。だから単にマルクス主義哲学(哲学という言葉を最も広く取って)に限らず、近世の卓越した哲学の多くは批評的・評論的な特色を有っている。カントの批判主義には特有な独特の内容があるけれども、批判を以て哲学の何よりも先に来るべき課題だと考えたことが、彼の哲学に近代的包括性を与えていると考えられる。この評論を科学的な体系にまで仕上げたものがヘーゲルであった。処でヘーゲルの哲学体系に於て容易に気付く点は、それが諸範疇(根本概念)の体系として仕上げられているということだろう。