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しそうとしてのぶんがく

思想としての文学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁

青空文庫

なる程大陸の合理主義は真理の根拠を、デカルトに於てのように、表象(観念)の明証に求めたから、一種の直観主義に立脚してはいるが、併しこの明証の直観は、明析と判明(Clara et distincta)という合理的な条件を有っているので、前の常識の天下り式テーゼを直覚的に承認するのとは全く別である。云わば道徳的直観主義の代りに知的直観主義が、この大陸的合理主義の特色をなす。常識のように倫理的乃至審美的ではなくて、知的であればこそ、合理論が合理論たる所以なのである。だからデカルト的合理主義は、一切の常識的なるものに対する懐疑からその思索を出発させたのであって、ここでは合理主義が常識主義の完全な敵対物として現われる。

第二にこの英国風の常識の立脚する経験論は、現象論乃至現象主義に通じている。実際事物をその本質や論理的又歴史的な首尾一貫性に於て把握しないのは、世間の所謂常識の一つの特徴をなしているだろう。云うまでもなくスコットランド学派の常識は、こうした所謂常識、現象主義的・経験主義的・常識態度に通じて初めて社会的存在理由を有ったのだった。というのは、一面こうした社会常識を兎に角どういう形の下にせよ、哲学の範疇としなければならないというのが、当時のイギリスの貴族化した一部のブルジョアジーのイデオロギー上の要求だっ