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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁
というのは、ニュース・報道・本位ということは、つまり批評・評論を第二義的とするということに他ならないのだが、併し報道と批評とをそう簡単に区別して了うということが、すでに報道乃至批評というものの本質を逸して了うことになるからである。よく考えて見ると、批評を含まない報道は事実上報道不可能だし、又批評という機能を営まない報道は一つもないのである。相場の報道でさえ、夫が報道されねばならぬと考えられる所以から云うと、つまり投機家の思惑や杞憂やの種となるために提供されるのであって、本来ならば噂となって伝わるべきものが、新聞やラジオを通して伝えられるに他ならない。噂の代行をしないものは一つとしてニュースとしての資格を持たない、ニュース・ヴァリューがないのである。だが噂と云えばすでに、最も原始的で市井的な批評機能を果すものだということは、誰でも知っている。自分や相手に興味のない知識を人に伝達することは決してあり得ないので、何かの関心と利害とを伴った知識だけが世間社会で伝達されるのだが、その際必ずその知識内容である事実(実は大抵不正確な事実又は虚構でさえある)に就いての、感想・毀誉褒貶、即ち評価・批評が吐露される。