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しそうとしてのぶんがく

思想としての文学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁

青空文庫

で、こうした概念や範疇を歴史的に受け継ぎ又見出し、それから多数の之等のものを組織立てて研究用の用具(オルガノン)を造り上げ、そして之を運用することが、専門的な技術としての哲学法の内容となる。こういう概念用具の構成運用を広く論理学と呼んでいる。

最近例えば文学上のリアリズムの問題に就いて、偶然性とか必然性とかいう範疇を使って色々と議論されている。処が言葉は同じでも、哲学技術が異うと範疇そのものが別になるわけで、つまり論理の組織が別なのである。弁証法と呼ばれる論理では偶然性と必然性とは統一的に理解される二つの概念だが、形式論理学では二つは全く絶対的に分離したものと考えられている。又唯物論(本当の弁証法は唯物論に帰着するが)で云うリアリティーと観念論でいう夫とは、言葉は同じでも、範疇としては別で、異った範疇体系にぞくしている。

こうした範疇の構成運用は、云うまでもなく人々が勝手にやるのではなく、そういう範疇で以て哲学が処理しようとする実在そのものの構造が要述する処に従って之を実施する他ないのだが、併しそれも亦素手では不可能なので、哲学の歴史がその仕方を具体的に吾々に指定している。