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しそうとしてのぶんがく
思想としての文学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《思想としての文学(しそうとしてのぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 209,809 字 · 408 頁
観念論はこのような次第で成り立つのである)。
表象が著しく有っているこの誇張の能力、空想力、示唆力、象徴力等々は、すでに多くの人が古くから今日に至るまで、指摘し続けて来ている。認識を象徴記号の体系と考える哲学者や自然科学者、群集心理や催眠術に於ける示唆の役割の説明、先天的空想力(カントの先験的構想力)による認識理論や芸術理論、それから文学に於ける誇張の積極的な役割の提唱(例えばゴーリキーに見られる)、などが夫だ。だが、それにも拘らずその合理的核心になると、夫については、余りハッキリしたものを吾々は之まで与えられていないと思われる。――表象がもつだろう合理的核心、それの空想的な肉づけを支える健全な骨格を、解明するものは、処で概念でなければなるまいと思う。
表象と概念とを極めて計画的に区別したのがヘーゲルであったことは、人の知る通りである。ただ彼は心ならずも概念をば、自分みずから知ることをその唯一の肉体にしているらしい精神(世界精神)に還元して了ったので、概念は遂にただの観念(イデー)の類に帰着して了った。之では科学的・理論的な実証的概念と妄想的表象との最後の区別は、遂に払拭されて了わざるを得ない。