輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《支那游記(「しなゆうき」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 51,859 字 · 105 頁

青空文庫

十一 章炳麟氏

寧ろセンシュアルな感じの強い、立派に発育した青年である。背も私に比べると、確に五分は高いらしい。その夜も一しょだった村田君は、私を彼に紹介しながら、この利巧そうな女形と、互に久闊を叙し合ったりした。聞けば君は緑牡丹が、まだ無名の子役だった頃から、彼でなければ夜も日も明けない、熱心な贔屓の一人なのだそうである。私は彼に、玉堂春は面白かったと云う意味を伝えた。すると彼は意外にも、「アリガト」と云う日本語を使った。そうして――そうして彼が何をしたか。私は彼自身の為にも又わが村田烏江君の為にも、こんな事は公然書きたくない。が、これを書かなければ、折角彼を紹介した所が、むざむざ真を逸してしまう。それでは読者に対しても、甚済まない次第である。その為に敢然正筆を使うと、――彼は横を向くが早いか、真紅に銀糸の繍をした、美しい袖を翻して、見事に床の上へ手洟をかんだ。

十一 章炳麟氏

章炳麟氏の書斎には、如何なる趣味か知らないが、大きな鰐の剥製が一匹、腹這いに壁に引っ付いている。が、この書物に埋まった書斎は、その鰐が皮肉に感じられる程、言葉通り肌に沁みるように寒い。尤も当日の天候は、発句の季題を借用すると、正に冴え返る雨天だった。