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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁
下剋上があらわれる。室町幕府の弱体は、余りにも、久しい前から、見すかされていた。
幕府はあったが、統一されたためしはない。武門は武門で、各地にあって、私権をふりまわし、僧団は僧団で、財力を山にあつめて、教権にたてこもる。そうなると、公卿もまた公卿で、廟堂の鼠と化し、きのうは武家をたのみ、きょうは僧団をおだてて、政治を自分たちの擁護に濫用する。
僧国、武国、廟国、幕府、これがみな、ばらばらに、べつべつに、日本をわすれて私闘して来たのである。田も畑もたまったものではない。
いたましくも、豊葦原瑞穂ノ国は、こういういなごみたいな害虫の蝕みにまかせて、荒れ放題に国土を荒して来たといっても、そう過言ではない。すくなくも応仁の乱このかたの日本の乱れは。
そういう末期の人として、足利義昭などは、まだまだ人のよいほうといえよう。けれど捨てておけば、なお彼が、しがみついていようとした幕府、将軍職などというものの存在は、有害無益にちがいなかった。一日放置して置けば一日国家のみだれが長びく。
「やったな! 遂に」
天下の衆目は、信長の行動へ、ひとしく眼をみはった。
蒼空を見たのだ。