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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁

青空文庫

琴の音が休むと、

「時に、三郎兵衛どの、あなたがお護りしておられる御城主の二郎丸様は、当年、お幾歳になられますか」

と、半兵衛が訊ねた。

「お十二になられた。おいたわしや、父の殿、堀遠江守様には、先年亡くなられ、今はまた、十二の御幼少で、この城に立籠られ、御運のほども……」

と、三郎兵衛は、遂に、懐紙を取り出して、落涙をつつんだ。

半兵衛は、屹と、坐り直して、

「あなたは不忠者だ!」

と、にわかに声を励ました。

「なに、拙者を、不忠者と」

「――そうです。いかに武将のお子でも、まだお十二の幼君では、世の中のどういうものか、戦は何のためにしているものか、義も節も、お胸には分っておられまい。――それを、飽くまで、この一城に拠って、籠城討死を遂げようとなさるのは、臣下たるあなた方だけの意志で、自分の名のため、節義のために、何も知らぬ幼君をも、犠牲にしてしまおうという酷い我意だ。――半兵衛には、そういう自我のお心を、武士道とは、お見上げ申されぬ。むしろ穿きちがえたる武士道と嘆かれる。……三郎兵衛どの、それでも御身は、忠義のつもりでおられるのか」

姉川

理には負けないと思う。