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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,841 字 · 376 頁

青空文庫

まだ朝霧がふかい。

大きな太陽が、山の肩へ、のッと昇っているが、小谷の盆地からは、四山の山襞も霧で見えなかった。

浅井が城は

小さいな、小さい城や

ああ、よい茶の子

ささ、朝茶の子

そう遠くはない。どこか霧のなかでする声だった。それも、ひとりふたりのものでなく、多勢の合唱と手拍子である。踊っているのかとも察しられる。

「どこだろ」

「なんであろ?」

子どもは早い朝起き。――寝所からとび出すと、大廊下を駈けめぐり、声をめあてに、茶々も万寿も跣足で庭へとび降りた。

そして、城廓のはずれまで行って、北のほうを、眺めていた。

「いたいた。あんな所で踊っている、歌っている。たくさんに」

万寿はうれしかった。

姉の茶々も、

「どこに、どこに」

と、眼をつぶらにする。

北の山の中腹である。雲の断れ目のように、ぽかと、そこだけ霧がはれて、陽のあたっている所がある。

ちょうど、大仏の膝のような阜だった。

明らかに、敵である。一小隊ほどな信長方の兵が、朗らかに、秋の朝を、囃しているのだった。

「やあーーい。聞えぬか」

と、どなっている。

そしてまた、一斉に。

浅井が城は

小さいな、小さい城や