輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁

青空文庫

総計五千余人の大世帯となっていることは確実だった。

それはすでに籠城を決意した清水宗治が、領土下の農民と女子老幼のすべてをみな城中へ収容したためで、以て、疾くからこの一城に拠って、東軍数万の怒濤をふせぎ、一戦を決せんとするの覚悟は明らかだった。

一室へ通ったのは、使者の黒田官兵衛と蜂須賀彦右衛門の二人だけである。官兵衛は例のごとく片脚不自由な身なので、杖を持たぬ室内では殊にひどく跛行をひく。

茶も出た。菓子も出る。

「しばらく、御休息くださいませ。ただいますぐ主人がお目にかかりますれば」

退ってゆく二十歳足らずの小姓らしき者へ、使者の二人はしずかな眼をそそいでいる。襖際の作法行態、平常と変りはない。召使の者にこれだけの落着きがあるからにはと、城中一般の心がまえ、また守将宗治のたしなみも、まずは充分に窺われる。

やがてのこと。

「長左衛門宗治にござる。羽柴どのからお使いに見えられた由。ようこそ」

それへ来て、容態ぶりもなく、坐った人がある。

年五十がらみ。腰がひくく、粗服をまとい、左右にも物々しい家臣などは並べず、十二、三の子どもひとりを小姓としてうしろに置いているだけだった。