輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁
そのときまだ本能寺の境内も、諸坊の建物も張合いのないほどひっそりしていた。表御堂の扉もすべて閉まっていて、この内に目ざす敵が在るや否やを疑わしめるほどだった。
この朝の火の手と煙は、本能寺の外の尿小路から先に揚ったのである。ぶちこわされた家屋の下にあった火気が忽ちいぶり出して苦もなく次々の板屋建てを焼いていった。そのためにこの一劃の貧しい住民はおたがいに踏み殺し合うような騒ぎを捲き起して、泣き喚きながら一物も持たずに河原や町の中へあふれ出した。
これを正反対の惣門の方から望むと、あだかもその煙は、すでに裏門を突破した味方が、庫裡へ火を放け始めたかのように思われた。で、正門の前へ雲集した第一軍の主力は、
「裏門の味方におくるるな」
と、猛り合い、刎橋の此方でただ時を移しているかのごとく揉み揺れている将校の一団にたいして、
「踏みつぶせ」
「押し通れ。何をしている」
と、うしろの卒伍から呶鳴る声すら沸いていた。
これはそこに立った三宅式部や村上和泉守などが、門内の番士へ向い、
「これは中国へ下る明智の軍勢に候うが、右大臣家の尊覧を仰ぐため、勢揃いして罷り越え候。