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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 頁

青空文庫

「よしよし。……しずまれ」

官兵衛は、手を振って、制しながら、

「そうだろう。さもあるはずとわしも思う。難しいことは説かぬが、要するにお前がたは、はやくよい御政道の下に、安民楽土という境遇を得、妻子とともに、楽しく働いてゆければゆきたいのだろう。――それを、目前の小さい骨惜しみや利慾にとらわれていたら、お前たち自体で、おまえたちの望む日の来るのを邪魔しているようなものになるぞ。また、これだけは固く信じるがいい。わが織田右府様より御派遣の羽柴軍は、絶対に、毛利にやぶるるものではないということをだ。毛利こそはいかに大国でも、はや凋落の運命にある国。これは毛利が弱いわけではなく、時の大勢というもの。またわが織田軍は、朝廷に仕えて、よく禁門の御心を体し、もっともよく、いまの諸国を統一し、治めるものとの、御信頼もあつい武門であるがためでもある。どうだ、わかったか」

「わかりました」

「では、働くかッ」

「働きます。どんなにでも、働きまする」

「よしッ……」

と、つよくうなずくと官兵衛は、秀吉の床几の方をふりむいて、

「人夫一同、あのように申しておりますれば、何とぞこのたびだけは、御寛大をもちまして」