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めいあん

明暗

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《明暗(めいあん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,590 字 · 645 頁

青空文庫

すると彼の意志はその局部に対して全く平生の命令権を失ってしまう。止めさせようと焦慮れば焦慮るほど、筋肉の方でなお云う事を聞かなくなる。――これが過程であった。

津田はこの変な感じとお延との間にどんな連絡があるか知らなかった。彼は籠の中の鳥見たように彼女を取扱うのが気の毒になった。いつまでも彼女を自分の傍に引きつけておくのを男らしくないと考えた。それで快よく彼女を自由な空気の中に放してやった。しかし彼女が彼の好意を感謝して、彼の病床を去るや否や、急に自分だけ一人取り残されたような気がし出した。彼は物足りない耳を傾むけて、お延の下へ降りて行く足音を聞いた。彼女が玄関の扉を開ける時、烈しく鳴らした号鈴の音さえ彼にはあまり無遠慮過ぎた。彼が局部から受ける厭な筋肉の感じはちょうどこの時に再発したのである。彼はそれを一種の刺戟に帰した。そうしてその刺戟は過敏にされた神経のお蔭にほかならないと考えた。ではお延の行為が彼の神経をそれほど過敏にしたのだろうか。お延の所作に対して突然不快を感じ出した彼も、そこまでは論断する事ができなかった。しかし全く偶然の暗合でない事も、彼に云わせると、自明の理であった。