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めいあん

明暗

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《明暗(めいあん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,590 字 · 645 頁

青空文庫

百五十九

つまり口じゃ駄目だ、実戦で来いという事になるんだから、僕の方でもやむをえずそこまで行って勝負を決しようというだけの話だあね」

「そうか、解った。――もうそれぎりかい、君のいう事は」

「いやどうして。これからいよいよ本論に入ろうというんだ」

津田は一気に洋盃を唇へあてがって、ぐっと麦酒を飲み干した小林の様子を、少し呆れながら眺めた。

百五十九

小林は言葉を継ぐ前に、洋盃を下へ置いて、まず室内を見渡した。女伴の客のうち、一組の相手は洗指盆の中へ入れた果物を食った後の手を、袂から出した美くしい手帛で拭いていた。彼の筋向うに席を取って、先刻から時々自分達の方を偸むようにして見る二十五六の方は、茶碗を手にしながら、男の吹かす煙草の煙を眺めて、しきりに芝居の話をしていた。両方とも彼らより先に来ただけあって、彼らより先に席を立つ順序に、食事の方の都合も進行しているらしく見えた時、小林は云った。

「やあちょうど好い。まだいる」

津田はまたはっと思った。小林はきっと彼らの気を悪くするような事を、彼らに聴こえようがしに云うに違なかった。

「おいもう好い加減に止せよ」

「まだ何にも云やしないじゃないか」