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めいあん
明暗
線上閱讀夏目 漱石《明暗(めいあん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 322,590 字 · 645 頁
彼は小林のようなみすぼらしい男を、友達の内にもっているという証拠を、夫人に見せるのが厭でならなかった。あんな人と付合っているのかと軽蔑された日には、自分の未来にまで関係すると考えた。
「君もよほど呑気だね。吉川の奥さんが今日ここへ何しに来るんだか、君だって知ってるじゃないか」
「知ってる。――邪魔かね」
津田は最後の引導を渡すよりほかに途がなくなった。
「邪魔だよ。だから来ないうちに早く帰ってくれ」
小林は別に怒った様子もしなかった。
「そうか、じゃ帰ってもいい。帰ってもいいが、その代り用だけは云って行こう、せっかく来たものだから」
面倒になった津田は、とうとう自分の方からその用を云ってしまった。
「金だろう。僕に相当の御用なら承ってもいい。しかしここには一文も持っていない。と云って、また外套のように留守へ取りに行かれちゃ困る」
小林はにやにや笑いながら、じゃどうすればいいんだという問を顔色でかけた。まだ小林に聴く事の残っている津田は、出立前もう一遍彼に会っておく方が便宜であった。けれども彼とお延と落ち合う掛念のある病院では都合が悪かった。津田は送別会という名の下に、彼らの出会うべき日と時と場所とを指定した後で、ようやくこの厄介者を退去させた。