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しょうわゆうげきたい
昭和遊撃隊
平田 晋策
線上閱讀平田 晋策《昭和遊撃隊(しょうわゆうげきたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 頁
ひろい入江、――碧海湾には、霧がもうもうと立ちこめて、南国の朝風がひやひやと頬を撫でる。
『最上』の左舷と狼岩との間へ、一艘の内火艇が、ボボボボボと音を立てて入って来た。
いよいよ上陸だ。
「艦長、行って参ります。」
「小川の小父さん、それから、みなさん、さようなら。」
清君と※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、身軽に舷梯をかけ下りて、内火艇に乗りうつった。
艦長は、谷兵曹長だ。前進! の号令で内火艇はすぐに動き出した。しかし、とてものろのろした速力だ。湾は鏡のようになめらかで、小波一つ立っていない。清君と※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは窓から顔を出して、霧の中をすかして前の方を見た。
――何も見えない。
後の方を見ると、狼岩と『最上』の姿が、ぼんやりと鼠色にうすれて行く。
気味の悪いくらいの静かさだ。
「兄さん、ここは無人島ですか?」
清君は、たまりかねて大佐にたずねた。
「いや、ちがう。」
大佐は、首をふって、重々しい唇をひらいた。
「実は、昨日の晩、聞かして上げようと思ったんだがね。二人とも、ハンモックに揺られて、よく寝ていたものだから、やめにしたんだ。