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しょうわゆうげきたい

昭和遊撃隊

平田 晋策

線上閱讀平田 晋策《昭和遊撃隊(しょうわゆうげきたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 102,452 字 · 208 頁

青空文庫

小川中佐、君もやり給え。」

木下大佐は、戸棚から葡萄酒の瓶をとり出した。

「これは百年ほど前にフランスで出来た古い酒だ。僕の宝ものなんだよ。」

赤い血のような葡萄酒が、たらたらとグラスの盃につがれた。

「僕は大佐で、まだ司令官になる柄でない、しかし、今や命令によって、不肖ながら昭和遊撃隊の司令官になったんだ。まあ、どこまでやれるか、生命のあるかぎり、やって見よう。今夜出動したら、泣いても、わめいても、後は太平洋の荒波にまかせた生命だぞ。」

木下大佐は、盃を高くさし上げた。

――ああ木下艦長が、遊撃隊の司令官だったのか! 海軍一の豪傑とよばれる大佐なら、どんな恐しい冒険でも、どんなひどい戦闘でも、きっとやりとげるだろう。――

清君と※(「火+華」、第3水準1-87-62)代さんは、盃をカチリと打ちあわせて、眼と眼とでうなずきあい、「御機嫌よう!」と、おたがいの武運を祈った。

○

外はおぼろ月夜で、洞窟の中へも、青白い月の光がぼォーッとさしこんでいる。

ああ母の国を離れたこの南海の孤島で、わが少年と少女は、戦の首途を前にして、今夜どんな夢を見ることだろうか。