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あんこくにっき
暗黒日記
清沢 洌
線上閱讀清沢 洌《暗黒日記(あんこくにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,322 字 · 188 頁
三月二十一日(火)
三月二十三日(木)
(読売)といったことを書いている。政府のやりかたの馬鹿らしさ加減が、少しずつわかるからであろう。もっとも新聞といっても、若いイデオロギー張りの連中には、それもわからず、軍部とともに形式主義の推進力となっているのであろうが。
三月二十一日(火)
さきごろ避難荷物の檢査があった。その檢査官は、出入りの大工松村である。われらの隣組長を従えて挙手の礼をして、「よく出來ました」とほめて行ったそうだ。ワイフは、「いままでは勝手口から出入りするにも遠慮してましたのにね」という。
ここに問題は二つある。一つは大震災のときもそうであったが、秩序維持の責任が、大工、植木屋、魚屋などに帰したことだ。彼らはちょうどいい知識と行動主義の所有者だ。第二は個人の持物をも、警察の代表者によって檢査させるという干渉主義の現われだ。新聞には疎開荷物の中にカンカン帽があったとか、ピアノがあったとか、そんなことばかり書いてある。荷物の分量をきめて、何をもって行くかは、その人の裁量に任せればよいではないか。その人によって最も大切なものの観念が違うのである。
三月二十三日(木)
新聞社は陸海軍の軋轢のため、どちらのことも書けぬといっているとか。