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あんこくにっき

暗黒日記

清沢 洌

線上閱讀清沢 洌《暗黒日記(あんこくにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,322 字 · 188 頁

青空文庫

四月八日(土)

東條の見通しが正しいかどうかは、やがて明らかになろう。

畠をやっていたら、妙齢の婦人が野菜をわけてくれないかと言った。毎日の新聞は野菜のことばかりだ。

ところが、その増産の奬励にかかわらず、馬鈴薯のタネイモも、ニラも何も配給されぬのである。宣伝だけで何もしない。これを官僚統制という。国民は愚劣だから、まだわからない。なにか行き詰まると、統制の不足にもってくる――始終、同じことを繰返すようだが。

四月八日(土)

中央公論を読む。その中の「必勝日本と世界戰局」という座談会で、帝大の矢部貞治教授はドイツが非常に有利だといっている。ウクライナをとられ、八方ふさがりの現在、東大の先生がこう言っているのだ。もって一般を知るべし。その中で外務省の加瀬俊一君は流石に事情に通じている。

また、その中の寺田稻次郎の「日本革新史論」は、大久保をひどくけなし、西郷を讃美し、また暗殺者を讃美している。大隈を襲った來島恒喜や、森有礼を殺した行動をほめているのである。また征韓論を実行しておれば、條約改正なども二十年早くできようなどと言っている。

これらの人々は国際関係がまるでわからない。