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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《橋の上の女 ――銭形平次傑作選2(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,573 字 · 178 頁

青空文庫

「待ってくれ、怪談でいっぱいはおかしいな。誰が手桶でいっぱいの怪談をぶちまけたんだ」

「親分は揚足をとるから叶わない、その辺がケエ談だらけで、足の踏みどころもないとしたら、怪談で一杯でしょう」

「まア聴こうじゃないか、どんな怪談が出たんだ。三つ目小僧か、傘のお化けとか、たいがい怪談話には筋も眷族もあるものだ」

平次と八五郎の話は途方もなく発展して行きます。お静は心得たもので、二人の話に邪魔をしないように、井戸端に避難をして、せっせと洗い物の支度をしております。

「筋もけん族もなく、こいつは変っていますが、笛を吹くと、いきなりフッと髻が切れる、変っているでしょう――」

「何を言やがる」

「近頃これがまた自棄に流行るんだってね――総領は尺八を吹く面に出来、ってね――川柳点にはうまいのがあるよ」

「尺八になんに祟るというのか、こいつは変っているぜ。首を振りながら、あいつを吹く図は、あまり色気のある図じゃないが」

「尺八じゃありませんよ、お神楽笛の横笛なんで、能管でもあることか、ただの横笛ですよ。こいつをヒョロヒョロとやって、左内坂を登り、市ガ谷八幡の境内に入ると、右は長竜寺で、左は茶の木稲荷、淋しいところで」