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みんげいよんじゅうねん
民藝四十年
柳 宗悦
線上閱讀柳 宗悦《民藝四十年(みんげいよんじゅうねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,248 字 · 368 頁
私が物を買うのは、いつも始めての想いで買うのである。一々が初恋なのだとでもいおうか。反復でもなく重複でもないのである。新鮮なのであるから、一つ一つが始めての買物だという意味がある。いわば一つ一つを眼一ぱい心一ぱいで見ているので、それは昨日見たとか、幾度か見たとかいう見方ではない。即今より以外には見ていないのである。初恋は一度ぎりのもので、幾度もあれば初恋ではないというであろうが、本当の初恋ならそんな簡単な物指では決められない。
こういう例を引いたらどうであろうか。念仏というものを考えると、多念仏といって、念仏を数多く称える行がある。あるいは「常念仏」などともいう。昔から「常行三昧堂」というのがあって念仏行者が日々念仏する御堂である。京都に百万遍という名刹があるが、念仏百万遍から来た名である。ともかく度数多く称える念仏のことである。実際そういう多念仏に大なる功徳を感じた者は多勢いた。しかし果してここに念仏の本義があろうか。これに対し一念義ということを称え出した者もいて、本当の念仏なら一念に結晶すればよく、多念は要らぬと主張したが、これは念仏宗では邪義として退けられた。