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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
「……すると、先生。僕は、おどろいてしまったんです。とつぜん自動車の行手に、『危険! この先に崖がある』という注意の札が見えたんです」
「ほう、ほう」
「危険の札が、立っているのに、丸木はそのまま、そこを突破したんです」
「ほう、らんぼうだね。それじゃ、自殺するようなものだ」
「そうです。僕は、もう死ぬことを覚悟しました。すると、そのとき丸木は、片手で運転台の扉をさっとあけました。そうして、僕の体を、力一ぱい、車の外へどんと突きとばしたんです」
「なるほど、なるほど」
「僕は、思わず目を閉じました。頭をぶっつけては即死だと思ったので、両腕で、自分の頭を抱えるようにしたことまで覚えています。それから後のことは、なんにも知りません。丸木がどうしたのか、自動車がどうなったのか」
「それで……」
「気がついてみると、僕の頬ぺたが、ちくちく痛いのです。それから、だんだんと正気にもどってみますと、僕は、さつきという木がありますね。あのさつきの繁みの中にころがっていたんです」
「ふん、さつきというと、この屋敷にも、たくさんあるが……」
「そうなんです。そのさつきは、この屋敷のものだったんです。