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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

怪人は、かちほこるように、気味の悪いうなりごえを上げる。

「け、けしからん。もう君をゆるしておけないぞ」

新田先生は、相手が強敵であることは知っていたが、こうなってはもうやむを得ない。全身の力をこめて、怪人丸木の胸にぶつかった。

丸木はよろよろと、二、三歩後に退いた。だが、彼はたおれはしなかった。

やりそんじたかと、新田先生は、もう一度後に下った後、どうんと怪物の胸につきあたった。

今度は、大分こたえたようであった。丸木はうなりながら、四歩五歩と、後によろめいて、ついに壁ぎわにどうんと背中をつけてしまった。

それは相当ひどい音だった。そのひびきで壁の柱時計がごうんと鳴ったほどであった。だが、怪人はまだまいらない。

千二は、マントの下で、足をばたばたさせている。新田先生はそれを見ると、またもう一度、丸木の胸にぶっつかって行った。

すると、丸木の腕がマントの下からぬうっと出たが。……

三度目の新田先生のもうれつな突っぱりに、さすがの怪人丸木もややひるんだものと見え、それまではうごかさなかった左腕を、マントの下からぬうっと出したが、これを見ておどろいたのは、先生だった。