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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

丸木は、胴中を佐々刑事たちの二本の綱で、ぎゅうぎゅうとしめられながら、決してそれでまいる様子はなかった。彼は、獣のようなこえを出すと、千二少年を隅へほうり出した後、部屋のまん中へとびだして、あばれだした。

たいへんなあばれ方である。丸木もほんとうに死にものぐるいらしい。

「こら、しずかにせんか。あとで、ほえづらをかくなよ」

「ううーっ」

丸木が、体を一ふりすると、佐々と警官とは、綱を持ったまま、よろよろと前につんのめりそうになった。しかし、すかさず、また綱の端を、丸木の片足にかけて、えいやと引いたから、丸木は、ついに床の上に、どしんと転がった。首は、手からはなれて、壁にぶつかった。

「しめた!」

佐々は、連の警官に目くばせして、起きあがろうとする丸木の上から、どうんと、とびついた。

それから先が、たいへんなことになった。丸木は二人力も三人力もあるとみえ、なかなかひるまなかった。三人は、上になり下になり、蟻田博士の秘密室に、ほこりをたてた。勝負は、なかなかつかない。

その組打のまっ最中に、とつぜん思いがけない一大椿事がもちあがった。

それは、どうんという地響とともに、にわかに床が、ぐっと上にもちあがると、たちまち部屋は、嵐の中に漂う小舟のように、ゆらゆらと、大ゆれにゆれはじめたのであった。