輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
博士は、なおも語り続ける。
「――女王ラーラとその子供たちは、四日目には、その恐しい藻に包まれて、全く死んでしまったのだ」
「ああ、かわいそうに……」
「その時、わしは、森の中の一本の木の上にのぼって見ていたのだが、あまりかわいそうなので、何とかして、せめて子供だけでも助けてやりたいと思い、いろいろと助けてやる方法を考えたのじゃが、どうも、なかなかいい智慧が出ない。ところが、そのうち、ふと、思いついたことがあった」
「何です、その思いつかれたことは?」
「それはほかでもない、わしが持っていた長さ五十メートルの長い巻尺じゃ」
「巻尺? あのぐるぐるまいて、ケースにはいっているあの巻尺のことですか」
「そうじゃ、その巻尺じゃ。わしが火星へ持って行ったやつは特別につくらせたもので、丈夫な鋼鉄で出来ている。わしは、その巻尺の一端に、わしが護身用に持っていた猟銃をゆわいつけると、木の上から、やっと掛声をして、十メートルばかり離れた牢へなげこんだのじゃ」
「あはははは」
と、新田先生は笑い出した。
「なぜ、お前は笑うのか」
「博士、ほら話はいけませんね。いくら博士がその時お若かったにしろ、そんな重いものを、十メートルも離れた遠いところへ、やすやすと投げられるものですか」