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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
全く不思議な出来事であった。かたい金属で出来たものが、いずれも、ぐにゃぐにゃになって、とけて流れるのであった。
「博士、えらいことになりました。一体、どうしたのでしょう」
と、新田先生が、横から心配そうにたずねた。
「うん、察するところ、火星兵団では、金属をとかす怪力線を使っているらしい。あのぴかぴか光るのがくせものだ。とにかく、ここにいては、きけんだから、ひき上げたがよい。おい、大江山隊長ざんねんだろうが、ここはひとまず、ひき上げたがいいぞ」
「そうですか。ひき上げなければなりませんか。ここまで攻めたてたのに、ざんねんだなあ」
そうこうするうちに、ありとあらゆる金属がぐにゃぐにゃになり出した。十号ガスのピストルは、ことごとく地上に落ち、帽子のきしょうも、金ボタンも、みんなとけて落ちるのであった。
「こいつはひどい」
「これでは、火星兵をなぐりつけることも出来ない」
そこで大江山隊長は、ついに心を決し、
「総員、いそぎひき上げろ!」
と、命令を出した。
一同は、その命令にしたがって、ひき上げをはじめた。すべるように、山の斜面を下りていく。蟻田博士も新田先生も大江山隊長も……。