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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
千二は薬剤師らしい白い服を着た店員に、
「あのう、ボロンの大壜を二、三本売ってくれませんか」
と、おそるおそる言った。
「ボロン? ボロン? 硼素のことですか」
「さあ……」
「白い粉末になっているやつでしょう」
「さあ、どうですかねえ」
千二は、何も知らないので、弱ってうしろをふり向いた。すると、店先で、他人をよそおっていた丸木が、
(それだ、それだ)
という意味を千二につたえるため、うなずいてみせた。千二は、元気づいて、
「ああそれですよ。白い粉末のボロンです」
「精製のものと、普通のものとありますが、どっちにしましょうか」
「さあ、精製のと普通のと、どちらがいいのでしょうかねえ」
千二は、またうしろをふり返った。すると丸木は、手を上にあげて、信号をした。精製の方のがいいという意味らしい。
「いい方を下さい」
「はい、承知しました。三本でよろしいのですね。では一本、ただ今二円三十銭ですから、三本で、六円九十銭いただきます」
「六円九十銭ですとさ」
千二は、丸木の方をふり返って、そう言った。
すると、おもいがけなく、丸木が急に、そわそわしだした。
たいへんあわてているのであった。