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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁
「おい千二、丸木艇は見えないか」
博士の声だ。
「丸木艇ですか。丸木艇は、まだどこにいるか、見えませんよ」
と言っている時、千二の目に赤い旗が、ちらりとうつった。
見ると、やっぱりそれは丸木艇であった。逃げる宇宙艇のため、うしろにいた丸木艇は、だんだんあとにとりのこされ、前の方に現れて来たのであった。
「いました、博士。丸木艇が、ちょうど正面にいます」
「なに、正面に……。ああ、あれか。わしにも見えたぞ」
「丸木艇は、うろうろしていますねえ」
「うん、そのとおりだ。よろしい、これから丸木艇と一騎打をやるぞ。新田も千二も、この際がんばってくれ」
「わかりました」
「やります」
「では、突進するぞ」
博士は、にわかに大空艇の速度をあげた。大急追である!
「おお、丸木艇め、へんなうごき方をしているぞ」
蟻田博士は、丸木艇をレンズの中にとらえて、こんどは、はなすまいと一生けんめいである。
丸木艇は、宇宙艇群のそとにとりのこされ、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、逃げようか、それとも、攻めようかと、考えに苦しんでいる様子だ。
博士は、そこをすかさず、大空艇をとばして、一直線にすすんでいく。