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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

線上閱讀海野 十三《火星兵団(かせいへいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 頁

青空文庫

もうそんなに、さしせまりましたか。もっとも我々は、丸木艇とたたかうことに夢中になっていて、時間のたつのを、すっかり忘れていました」

「多分、それにまちがいがない。なお、くわしいことは計算表を見てもいいし、望遠鏡で測って見てもいい」

すると、千二が、

「博士、我々が火星につくのと、モロー彗星が地球に衝突するのと、どっちが先ですか」

と、たずねた。

「さあ、それは、だいたい、同じ時刻になろう。いや、火星につく時刻の方が、すこし、早いかもしれない」

「ここから、地球へ引きかえすと、モロー彗星の衝突する前に、地球にもどれますか」

博士は、首を左右にふった。

「あ、もう、間に合わないのですか」

「そうじゃ。もうおそい。地球のことは、あきらめなければならない」

「えっ。もう、どうしても、地球の上にすんでいる人たちは、すくえないのですか」

「どうも、しかたがない。残念だけれど」

「ぼくだけが、大空艇に乗るんじゃなかったなあ」

千二は、そう言って、下を向いた。少年は、きっと父親のことを思い出したのであろう。

「博士」

と、新田先生は、博士の腕をつかんで、

「すると、あと二十四時間後には、生きのこった地球の人間は、わたしたち三人だけということになってしまうのでしょうか」